2013年11月18日

緊縮派の理由

このところJリーグブログと化していた当ブログ久々の経済ネタ。

図解 逆説の経済学――メディア・評論家に歪められた真実(新世紀のビッグブラザーへ)

と言っても、取り上げるのはブログ主の主張ではなく、引用されているクルーグマン氏の論文(苦笑)。

(ブログより)
The Smith/Klein/Kalecki Theory of Austerity(緊縮のスミス・クライン・カレツキー理論
http://krugman.blogs.nytimes.com/2013/05/16/the-smithkleinkalecki-theory-of-austerity/?_r=0

<略>

(ノア・スミスは、最近、緊縮財政に関する興味深い「本当の理由」、緊縮財政が失敗しようとも支持される理由を説明していた。エリートは厳しい経済的苦難を「改革」、要するに「彼ら」が望む変革を意味するわけだが、改革を推進するための機会として見なしており、改革が実際に経済成長をもたらすのか、もたらさないのかは知らないが、いずれにせよそうした変革を伴わずとも危機を抑制できる可能性がある、あらゆる政策に反対するとのことだ。)

<略>

(私は「緊縮財政派」が、反緊縮的なマクロ政策が国家に対し、制度改革なしで危機を「何とか凌ぐ」ことを可能にしてしまうことを懸念していると推測している。言い換えれば、彼らは景気刺激策が(彼らにとり)都合がいい危機を無駄にしてしまうことを恐れているのではないか。)

posted by かせっち at 20:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月30日

生産→消費→所得のサイクル

不安定な方向(前編)(新世紀のビッグブラザーへ)

生産→消費→所得のサイクルがデフレによって破壊される様子、それによってもたらされる景気後退の対応策として「グローバリズム」を持ちこむことが下策をであることを端的に説明した記事。

(エントリより)
 さて、所得が創出されるには、以下の所得創出のプロセスを完成させなければなりません。

@ 国民が働き、モノ(財)やサービスを生産する。(付加価値の創出)
A 別の国民(外国もOK)が、生産されたモノやサービスを購入する(消費・投資)
B 消費、投資として支払われたおカネが、@の生産者の所得となる

 バブル崩壊後に国民が借金返済や銀行預金を減らし、消費や投資を削り、物価や所得が下落し、労働者の賃金水準が下がると、Aの消費、投資がますます難しくなっていきます。すると、@で生産されたモノやサービスが売れず、さらに物価が下落し、生産者の所得が下がり、今度はその生産者がAの消費、投資をするときに「カネがないから、払えない。安くして」と言い出し、物価、所得が縮小する悪循環がどこまでも続いていきます。

 これがデフレーションです。
 現在の日本はデフレ深刻化によりAが増えず、@の生産は可能であるため、物価が下落しBの所得が下がる(そして、所得の下落が次の消費や投資を減らす)状況にあります。とはいえ、Bの所得を減らすには、何もデフレ陥らせる必要はありません。富裕層減税、法人税減税により所得の再分配機能を歪めてしまえばいいのです。

 結果的に、その国では所得格差が開き、一般の国民の賃金水準が上がらなくなります。一般国民の賃金水準が上がらないと、彼らがモノやサービスを買う購買力が減ってしまうため、誰かの所得を減らしてしまうはずです。誰かの所得が減ると、その人の購買力が減少するという話であり、回りまわって富裕層や企業も損をするはずです(国内でモノやサービスが売れなくなるため)。

 ところが、ここに「グローバリズム」とうい要素が加わると、話はまるで変わってきます。

 企業は国内の賃金水準が低い国民など、もはや「顧客」として意識せず、市場は「グローバル」に求めます。グローバルでモノやサービスを販売することで所得を得る。これがメインになると、国内の一般国民は単なる「コスト」になります。コストである以上、賃金水準は安ければ安いほど、
「国際競争力が上がるじゃないか」
 というわけで、しかも資本移動の自由が確立されている以上、企業側は、
「賃金水準を上げろだ? ふざけるな。国内で操業してやっているだけでもありがたいと思え。文句ばかり言っていると、工場を外国に移すぞ
 と言ってくる(実際にはこんな下品な物言いはしないのでしょうが)わけでございます。

posted by かせっち at 19:22| Comment(2) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月19日

本当に「バグ」だったのか

昨日に引き続き、ラインハート・ロゴフ論文の問題について。

This Time is the Same.(unrepresentative agent)

上記のブログは問題のマサチューセッツ大の大学院生の指摘を解説したものである。ちなみにブログの表題の『This Time is the Same.』は、ラインハートとロゴフが問題の論文を下敷きに書いた著書『This Time is Different.』(邦題『国家は破綻する』)に引っかけたものである。

これによると、ラインハートとロゴフは単にExcelの計算式を間違えただけではなく、特定の国の特定の時期のデータを排除していたり、不明確な重みづけをしていたりしていた。このような集計の偏りを無くして再計算すると、公的債務がGDP比90%以上の国の成長率は-0.1%から2.2%になる、ということである。


…うーん、あんたらデータを恣意的に扱わなかったか?


それにしても、世界の経済政策担当者が引用する論文に査読がされてなかった方が驚き。「経済学会とはそういうところなのか?」と思っていたのだが、

(エントリより)
(追記、April 17)
yirwkさんが、この論文はいわゆるPP(Papers and Proceedings)なので レフェリーはついていないと指摘してくれた。ありがとう。PPは普通のペーパーとは扱いがぜんぜん違うことは知っているものの、ぜんぜんレフェリーがつかないことは知らなかった。データとコードに関する規定も適用されないのだろう(これを機に厳しくなるといいのだが)。急いで書くとこういうへまを犯してしまうのだ。申し訳ない。


責められるべきはロゴフ&ラインハートではない(はみ唐さんの空手、コンサル、親バカ日記)

この論文について以前から批判的だったノーベル経済学者クルーグマンは、この問題について「責められるべきは、聞きたいことを聞こうとしてこの論文に飛びついた連中だ」とフォローしたそうな。


尤も「聞きたいことを聞こうとした」のは

ラインハートとロゴフ自身だったかもしれないが



参考:
バグが引き起こした結果(当ブログ記事)

今度は違うぞ…データ操作のおかげでね(今日の覚書、集めてみました)
信者って…ユーロ圏の場合(今日の覚書、集めてみました)
posted by かせっち at 19:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月18日

バグが引き起こした結果

米大学院生ら、ハーバード大教授の影響力ある経済学論文に異議(ウォールストリートジャーナル)

「公的債務がGDP比で90%を越えている国では経済が0.1%縮小する傾向にある」というハーバード大のラインハートとロゴフの論文は、世界の緊縮財政推進論者の金科玉条となっている。

ところが、マサチューセッツ大の大学院生がこの論文で用いられている計算式を実際のデータに当てはめてみると、景気が縮小するどころが2.2%景気拡大するという結果が導かれた。

早速大学院生と彼の指導教授はラインハートとロゴフに連絡して、両者の間で論争になったのだが、その結果はというと…


「国家は破綻する」著者らが誤り認める、米研究者らの指摘受け(ロイター)

ラインハート&ロゴフ「Excelの計算式を間違えてました」


…えー、つまり、

ラインハートとロゴフのコーディングミスが

財政赤字国に過剰な財政切り詰めを強いていた、と…(微笑)



参考:
「ごめんなさい」では済まされない! 財政切り詰め策の根拠となった論文に誤り 欧州連合の方針に疑問(Market Hack)
posted by かせっち at 20:10| Comment(2) | TrackBack(1) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月19日

経済学の実験の果て

藤井聡教授@顔本 新自由主義のユーロ体制は転換せよ(丸山光三或問集)

マルクス経済学の実験場だったソ連や東欧諸国の経済破綻は、マルクス経済学の失敗を決定づけた。そして、マルクス経済学の対極にある新自由主義は、その実験場であるユーロ圏の破綻の危機により、その失敗が証明されようとしている。

(エントリより)
貿易の完全自由化、規制緩和、構造改革、そして「小さな政府」という並びは、サプライサイド経済学とか新自由主義と呼ばれるものですね。競争によって供給要因の改善をはかることが、経済成長をつながるという考え方です。

ユーロ体制は、その考え方に基づいてつくられています。つまり欧州経済統合とは、サプライサイド経済学や新自由主義の理想を実現するという、究極の実験だったのです。

<略>

今後、ヨーロッパが路線を転換するとすれば、それは単なる制度の変更にはとどまらないでしょう。ユーロ体制を導いてきた思想の変更、つまりは新自由主義からの転換を伴うはずです。

その転換がどのようなものになるのか、今の段階では、確かなことは言えません。確かなのは、今の体制を続ける限り、ユーロの未来はないということだけです。今の不況は、緊縮財政で乗り切るにはあまりに深刻です。ヨーロッパが新自由主義路線からの転換を決断しない限り、世界経済危機の第二波が始まるのは時間の問題というべきでしょう。


経済学の実験に付き合わされた国民はいい面の皮

経済とは「経国済民」の略であることを経済学者は肝に銘じるべき
posted by かせっち at 19:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月16日

クルーグマンの評価

Japan Steps Out(新世紀のビッグブラザーへ)

ノーベル経済学賞のクルーグマン教授は自著『さっさと不況を終わらせろ』で、アメリカが陥りつつあるデフレ不況の対策のために「金融政策と財政政策をパッケージで行え」と主張した。正にそのパッケージを実行に移そうとしている日本の安部政権に対するクルーグマン教授の評価。

(エントリより)
『動き出した日本(Japan Steps Out) ポールクルーグマン(ニューヨークタイムズ コラム(2013.1.13))

http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/index.php/b4/job/264  

 過去3年にわたり、高い失業率にもかかわらず、世界の先進各国の経済政策は麻痺したままだ。
 これは皆,正統派経済学のくだらない思い込みのせいなのだ。
 雇用を増やすための政策に関するあらゆる提案が、悲惨な結果を招きかねないという警告によって退けられてきた。
 財政支出を増やせば、――きわめて慎重な連中がいうにはだが――債券市場で我々は罰を受けることになるだろう、カネを刷れば、インフレが酷いことになるだろう、だから、何もやるべきではない。なぜなら、さらなる緊縮財政――いつの日か、どういうわけか報われるはずだとされる――の他に、できることはないからだ――彼らはそう言い続けてきたのだ。
 しかし今、一つの大国が、この(愚かしい)先進国の隊列を崩そうとしている。
 その国は他でもない、日本である。
 我々が捜し求めていた「異端者」がついに現れたというのではない。日本では政権が何度も入れ替わっているが、何も変わってはおらず、実際に新首相の安倍晋三も以前その職についていた。自民党の今回の勝利にしても、何十年にもわたって日本を誤って支配してきた「恐竜」が戻ってきたものだと広く受け止められている。

 加えて日本は、その巨大な政府債務と高齢化のせいで、有効な秘策の余地は他の先進国に比べても少ないだろうと考えられている。
 しかし安倍氏は、日本の経済的停滞を終焉させるのだと誓って、政権の座に戻ってきた。彼は、正統派経済学者たちが「やるな」と言ってきたアクションをすでに起こしている。そして、初期の兆候としては、非常に上手くいっている。』
posted by かせっち at 21:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月13日

デフレは庶民に得か?

デフレ不況がいい人・困る人(2chコピペ保存道場)

(エントリより)
470 名前:Trader@Live![sage] 投稿日:2013/01/12(土) 01:31:39.70 ID:0/6eTDNT
デフレ不況がいい人
公務員、官僚、生活保護者、資産家老人、年金受給者、学者などの非生産者


デフレ不況で困る人
普通のサラリーマン、若者、起業家、中小企業の経営者、商店、子供を持った若い夫婦
農家などの生産者


505 名前:Trader@Live![] 投稿日:2013/01/12(土) 01:35:31.53 ID:1jfbM/Qz
>>470
池田ノビーも言ってるけど、デフレは基本的には庶民に得

企業の収益構造が改善しない限りリーマンはインフレ下では常に犠牲者になるし


515 名前:Trader@Live![] 投稿日:2013/01/12(土) 01:36:28.57 ID:v/7kYlJ1
>>505
デフレで企業の収益構造はどうなりました?


516 名前:Trader@Live![] 投稿日:2013/01/12(土) 01:36:30.76 ID:ArsUxRc/
>>505
なんで超デフレ民主政権下の日本で
庶民はみんな苦しい苦しい言ってたの?(´・ω・`)


522 名前:Trader@Live![sage] 投稿日:2013/01/12(土) 01:37:10.93 ID:0/6eTDNT
>>505
池田は馬鹿だからデフレとデフレ不況の違いがわかってない

今はデフレ不況なんだよ


523 名前:Trader@Live![sage] 投稿日:2013/01/12(土) 01:37:10.93 ID:qDjn2AwT
>>505捏造
インフレで所得は増え、デフレで減る
保有資産も結局はインフレで増え、デフレで減る


532 名前:Trader@Live![sage] 投稿日:2013/01/12(土) 01:38:36.42 ID:Y9rw7dEb
>>505
デフレの恩恵を教授特するのは資産持ちであって、庶民は無いわな。


「デフレで物が安くなって庶民は恩恵を受ける」と言っている人は「その庶民が物を買う原資はどこから来るのか?」という視点が決定的に欠落している。


言うまでもなく 庶民が物を買う原資は所得であり

その所得が安く買い叩かれるのがデフレなのである



尤もインフレ基調となったとしても、それが所得の上昇にすぐに結び付かない(所得への波及は一番最後に来る)というのが悩ましいところだが…
posted by かせっち at 20:35| Comment(4) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月06日

子曰く

続 構造改革党(新世紀のビッグブラザーへ)

新古典派経済学の先生曰く…

(エントリより)
「タクシーやトラック等の総量規制は撤廃、自由自在に新規参入ができるようにしよう。いやいっそ、トラックを持たなくても運送業を営めるようにしよう。長距離バスの規制も取っ払い、安全基準も無くしてしまおう。結果的に、高速バスで事故が起きるかも知れないが、そんなものは会社と顧客の自己責任。というか、そういう不良業者は事故を次々に起こして評判が下がり、そのうち市場から淘汰されるからそれでいいじゃん
 不動産業は「店舗が必要」という規制があるが、これも撤廃し、インターネットのみで不動産業が営めるようにしてしまおう。店舗での営業などという概念自体が、時代遅れなんだよ。インターネットのみで営業できれば、コストが下がるし、従業員もそれほど必要なくなるじゃないか
 従業員と言えば、労働者の最低賃金制度というルールもなくそう。あらゆる業種で派遣社員の雇用を認めよう。そうすれば、バブル崩壊後のデフレ期であっても失業率は下がるよ。うん、間違いない。
 え? ギリシャやスペインは失業率が25%を超えているじゃないかって? あれはまさに「職種のミスマッチ」があるか、もしくは雇用の流動性が低いから、企業側が社員を増やせないんだよ。雇用の流動性を高め、失業者に職業訓練すれば話は解決だ。
 雇用の流動性を高めると、単に企業がこれまで以上に従業員を解雇するだけじゃないかって? そんなことは無いよ。世界は「モノを生産すれば、必ず売れる」というセイの法則に支配されているのだ。バブル崩壊後の国であっても、雇用の流動性が高まれば、企業は必ず社員を増やすよ。そんなことは『経済学』の常識だよ、君
 あらゆる公共サービスを民営化しよう。そうすれば競争原理が働き、生産性が上がるよ。政府の機能も次々に「民間企業」「株式会社」にしていこう。そうすれば「株主」の目が光るから、政府の効率性は間違いなく上がるよ。え、「国民」はどうなるかって?
 だ、か、ら、国民という有権者の言うがままに政治をやらせるから、効率が下がるんじゃないかっ! 何を言っているんだ? 君は?
 有権者に選ばれた政治家に政治を任せると、有権者の意向に沿って「ムダな公共事業」をやる羽目になるだろう。そういう非効率を潰すためにも、政府は民間企業化し、株主に監視させるのが一番だ。
 アメリカを見なさい。すでに軍隊機能の一部を「民営化」しているぞ。ゼー・サービシズ(旧ブラックウォーター)を知らないのかね。自衛隊や警察も民営化すると、間違いなく効率が上がるよ、うん。国民は効率化されたサービスを享受でき、民営化された自衛隊や警察の「株主」も配当金をもらえて、皆ハッピーではないか。
 ついでに、国境などというくだらない規制は取っ払い、国境を越えてモノ、カネ、ヒトが自由自在に行き交うようにしよう。そうすれば、間違いなく効率的な経済になるよ。時代はグローバリズムだよ。
 え? 労働規制を取っ払い、「ヒト(労働者)」の移動の自由を全面的に認めると、日本に大量の移民が入ってくるじゃないかって? 
 そうだよ。何か問題? 
 日本国民の雇用が失われるって? いやだなあ(笑)。確かに日本への労働者の移動も自由だけど、逆も真なりだよ。日本に雇用がないなら、君たちが外国に就職しに行けばいいじゃないか
 外国人の犯罪が増加するって? 本当に外国人犯罪が増え続けたら、その国は治安悪化で投資が減り、経済的な負け組になるから、それを防ぐために治安対策に努力せざるを得ないから大丈夫。何しろ、民営化された警察サービスの効率性は、市場競争の中で研ぎ澄まされている。もし、日本の民間警察会社の能力が低いならば、ほれ、アメリカ系の民間警察会社がやってきて、サービスを代わりに受注するだけの話だよ。何のために、ヒト、モノ、カネ、の三つの移動を自由化したと思っているんだ。
 いっそ、政府の公共サービスは全て民営化、株式会社化してしまえばいい。間違いなく効率が最高になる。元々、自国に存在した『民間公共サービス会社』の効率が低いなら、外国からやってきた公共サービス会社に業務を委ねれば済む話だ。特に、教育分野の株式会社化と、外国企業への開放は必須だよ。そうしなければ、日本人はグローバル市場で勝てないよ
 あ、そうだ。日本政府の公共サービスを株式会社化する際に、株式の外資規制とかしちゃだめだよ。外国人が株主の過半を占めれば、監視の目が光って、却って効率が高まるよ」


…そんな世界、真っ平御免です、先生。
posted by かせっち at 20:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月28日

病根

自己完結型システム(新世紀のビッグブラザーへ)

ユーロ圏の財政問題の原因は、各国の国債の消化を自国の金融市場(自国民の貯蓄)ではなく、国際金融市場に頼っているところにある。企業の業績が赤字になれば銀行が融資を渋るのと同じ理屈で、政府の財政赤字が巨大化すれば国際金融市場は国債の消化を引き受けなくなる。これは国際金融市場に自国の経済を引きずりまわされる事態を招くことを意味し、故に各国政府は財政赤字を極端に恐れるのである。

(エントリより)
 実のところ、いわゆる「グローバリズム」や新古典派経済学を思考の前提に置いていないわたくしは、ル・モンド・ディプロマティークの記事の内容が、最初はよく分かりませんでした。何しろ、ル・モンドの記事は、
「1970年代以降の成長鈍化によって、主要先進国で財政赤字の補填問題が慢性化した。結果、主要国は造幣によらない赤字補填を第一の目的として、独自の規制緩和へと明確に乗り出した。貯蓄の国際的循環という妙案に飛び付いた」
 という、日本とは全く異なる「国債の文化」を持つ国の発想で書かれていたためです。

 つまり、1970年代以降のフランスなどは(恐らくアメリカも)、成長鈍化で税収が減り、だからと言って拡大した社会保障支出を削り取ることができず(政治的に)、結果的に「造幣(通貨発行)」で」その場しのぎをしていたわけです。(あるいは、しようとしたわけです) 当たり前ですが、デフレに落ち込んでいるわけではなかった当時の主要各国が通貨発行で財政赤字を補填しようとすると、インフレ率が度を超えて上昇していきます。

 景気が悪化する中、インフレ率が上昇する、すなわち、スタグフレーションの発生です。この問題を解決するために再浮上してきたのが、ミルトン・フリードマンに代表される新古典派経済学、新自由主義だったわけです。

 新古典派のソリューションの一つが、政府の資金調達に関する「規制緩和」だったわけです。自国の貯蓄のみで経済を回すのではなく、資本移動の自由を認め、「国際金融市場」が政府にお金を貸し付けるようにしよう。そうすれば、国際金融市場の「目」が光り、政府は放漫財政等に踏み込めなくなるはずだ。

 ざっと書くと、上記の考え方になります。


ちなみに、日本の場合は国債の消化を国際金融市場にほとんど頼っておらず、自国民の貯蓄で賄っている。そしてユーロ危機の状況を見た識者からは、政府の債務を外国ではなく自国で賄う日本型の「自己完結型」国債消化が実は正しかったのではないか?という声が出始めてきている、というお話。
posted by かせっち at 19:04| Comment(3) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月14日

さっさと不況を終わらせろ

さっさと不況を終わらせろ(ポール・クルーグマン/早川書房)

ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン教授の著作。現在アメリカが陥っている不況の原因とその解決策について言及したこの本の趣旨は、以下の最後の一節に集約される。

(本書p.293より)
というわけで、いまやぼくたちはアメリカ経済が景気後退に突入してから四年以上たっている――そして後退は終わっても、停滞は終わっていない。失業はアメリカでは少し下がり気味だが(でもヨーロッパでは上昇中だ)、しばらく前ならば考えられない水準にとどまっている。同胞市民たちが何千万人も、すさまじい苦労にさらされており、今日の若者たちの将来見通しは、月ごとに悪化している――そしてそのすべてが、起こる必要のないものなのだ。

というのも、この不況から脱出するための知識も道具も、ぼくたちにはあるのだ。実際、昔ながらの経済学の原理(それも近年の出来事で有効性が確認される一方の原理だ)を適用することで、急速に、おそらくは二年以下で、おおむね完全雇用に戻れるのだ。

回復を阻害しているのは、知的な明晰さと政治的な意思の欠如だけだ。そして、自体を変えられるあらゆる人――専門の経済学者から政治家、懸念する市民まで――は、その欠如を補うためにできる限りのことすべきだ。この不況は終わらせられる――そしてこれを実現する政策を求めて戦うべきだ。それも今すぐに。


教授がいう「昔ながらの経済学の原理」とはケインズ経済学である。ケインズが生きた大恐慌の時代に(当然だが)ケインズ経済学はなく、ケインズ自身が打ち立てなければならなかった。しかし、大恐慌と同じ様相を見せ始めた現在のおいて、我々はケインズ経済学を既に知っている。今こそ「不況から脱出するための知識と道具」であるケインズ経済学を適用して不況を終わらせるべきだ――というのが、本書の趣旨である。

本書で指摘されている現在のアメリカの状況は大恐慌時代との多くの類似点があるが、同時にアメリカを日本の置き換えてもほとんど話が通用する(ケインズ経済学が新自由主義的経済学におって政治的に疎外されている点においても)。そしてこのノーベル賞経済学者の言が、日本の一介の経済評論家の日頃の主張と多く符合していたりする(笑)
posted by かせっち at 19:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月10日

伝説のトレーダー(笑)

暴落の予言に抗う日本国債
欧州の格下げで外国人投資家が殺到(Financial Times - JBRPRESS)


経済ニュースなどで「伝説のトレーダー」と紹介される藤巻健史氏は「日本国債は暴落する」と10年以上も主張し続けているが、その兆しは一向に現れない、という英Financial Times紙の記事。

(記事より)
 JPモルガンの元花形トレーダー、藤巻健史氏は10年以上にわたって間違ってきた。日本国債を売り持ちにしたことで2000年にジョージ・ソロス氏にお払い箱にされて以来、藤巻氏は、財政破綻が間近に迫っているとの予想の下、年金生活者に手持ちの円を減らすよう助言して生計を立ててきた。

<略>

 だが、国内外の市場参加者は、藤巻氏が見落としているのは、特に問題を抱えたユーロ圏諸国に比べた場合、日本が債務負担に対処する選択肢を多く持っていることだと主張する。

 「日本は独自の通貨、独立した金融政策、比較的強い経済、豊富な対外資産を持っている」と、キャピタル・エコノミクスの日本エコノミスト、デビッド・レア氏(ロンドン在勤)は指摘する。

 さらに、日本は永続的な経常黒字のおかげで外国資本に依存しなくて済むことから、政策立案者には、様々な選択肢を比較検討し、日本に必要な痛みを伴う対策を講じる時間がある、とアナリストらは言う。


藤巻氏の伝説ってソロスに首にされたことか?(失笑)
posted by かせっち at 19:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月10日

幻の欧州人

「ユーロの罠」にもがくフランス
EUは経済統合から政治分断の季節へ(ダイヤモンド・オンライン)


ドイツ主導で緊縮路線を推し進めてきたユーロ諸国において、ドイツの盟友だったフランスで緊縮路線に反対するオランド氏が大統領に選ばれ、緊縮策を押しつけられたギリシャでは反緊縮策を掲げる政党が議席を伸ばして連立もままならない状況に陥っている。

経済を統合することを端緒に最終的にはユーロ合衆国の成立(いやもしかすると、ローマ帝国の復活)を目論んでいたユーロ諸国が、その経済によって分裂しようとしている。その根本にあるの以下の引用にある「ドイツ人は、ヨーロピアンである前に、ドイツ人なのだ」に集約される。

(エントリより)
 日本でも東京と沖縄では失業率も異なるし、経済格差もある。地域格差の調整は、地方交付税交付金や補助金、公共事業の配分などで行われるが、同じ国民という一体感が、税金再配分のサジ加減を容認している。EUにも地域格差を調整する財政配分はあるが、国としての一体感はなく、よその国に税金を配分することに抵抗が強い。

 日本における東京の役割がドイツだ。都民は東京が稼いだカネを地方に配分することに大きな抵抗を感じていない。都民である前に、日本人だからである。ドイツ人は、ヨーロピアンである前に、ドイツ人なのだ。ラテンの人々と一体感を持つ歴史的背景も乏しい。公務員天国で税金もまともに払っていないギリシャ人に、なぜ自分たちの血税を注ぐのか、納得がいかないのである。


参考:
赤の他人(当ブログ記事)
posted by かせっち at 20:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月02日

赤の他人

ユーロ危機が一向に収束しない究極的な原因は、ユーロ「合衆国」を作る前に通貨だけを統合してしまったところにある。

ユーロ「加盟国」がユーロ「合衆国」となり、合衆国の市民(かつての国の国民)の間で「ユーロは一つ」という意識―――ユーロ・ナショナリズムが共有されれば、日本政府が破綻した夕張市を支援したように、中央政府が破綻した地域(かつての国)を救済することに、異論が出ることはないだろう。


オランド仏社会党第一書記の『成長協定』呪文でドイツの欧州支配終了(今日の覚書、集めてみました)

しかし、現実のユーロ「加盟国」の国民にとって他国は他国に過ぎないことは、メルケル独首相と共にユーロを引っ張って来たサルコジ仏大統領に代わり、その職に就く可能性が濃厚なオランド仏社会党第一書記の次の言葉が如実に表している。

(エントリより)
"It’s not for Germany to decide for the rest of Europe," said François Hollande, soon to be French leader, unless he trips horribly next week. Strong words even for the hustings.

「ヨーロッパのドイツ以外の国について決断を下すのはドイツではない」と、来週何かとんでもないスキャンダルが起こらない限り、間もなくフランス共和国の指導者となるフランソワ・オランド仏社会党第一書記。
スピーチにしても強烈な物言いである。


参考:
債務危機で再浮上した「醜いドイツ人」という偏見
メルケル首相にナチスの軍服とカギ十字の腕章(日経ビジネスオンライン)

posted by かせっち at 20:10| Comment(2) | TrackBack(1) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月12日

外部経済と内部経済

ついに敵の工作活動マニュアルを入手−【私の論評】工作員の真意が読み取れる!! 今のマスコミはこう読み解け!!(Funny Restaurant 犬とレストランとイタリア料理)

工作活動マニュアル云々はともかく、このブログで興味を引いたのは「外部経済と内部経済」のくだり。自分が考えていた事を見事に述べている。

(エントリより)
ミクロ経済学の典型の、企業では、企業内部の経済と、企業外部の経済が存在しており、経費として使ってしまったお金は企業内部から消えてしまいます。従業員を解雇すると、経済的には、解雇した従業員は、会社とは関係ない存在になり、その後、その従業員の給料に相当するお金は、企業内部に留保されることになります。

しかし、マクロ経済の見方では、これとは、相当様相が異なります。内部経済とともに、外部経済が存在します。国が、国民などから、お金を500兆円借りたとします。公共投資などで使ったとします。そうすると、それは、国以外の外部経済である、公共投資を請け負った企業群にわたります。企業群は、それらで、他の企業群に、原材料費を支払い、従業員の賃金を支払います。従業員は、日々生活つしたりするために、賃金を消費にまわしたりします。こうして、経済活動が行われるわけです。そうして、経済活動が盛んに行われれば、これらのお金が、消費税とか、所得税となり、政府にもどってきます。公共投資を500兆円が消えてしまうわけではありません。

この違いお分かりになるでしょうか?企業の場合、外部経済は企業にとっては、経済的にはないのも同じですから、一度使ってしまった、お金はそのまま企業から消え去ると考えて良いのです。また、従業員を解雇してしまえば、その従業員は、外部経済に移行してしまったので、企業にとってはないのも同じであり考える必要もありません。

しかし、国は、違うということです。一度、政府が借りたお金を公共投資などで使ったとしても、お金は、この世から消えて去るというわけではありません。その後企業や、家庭をまわり、また、税収としてもどってくるということです。まさに、お金は天下の周りものというわけです。このお金の周り方に問題があると、景気が良いとか、悪いとか、デフレとか、インフレということになるわけです。お金が、正常に回っていれば、問題がないのですが、正常な状況より、出回っていなければ、デフレ、過剰に出回っていればインフレということです。

ただし、別の局面もあります。企業が、従業員を解雇したとすると、その従業員は、外部経済に移行したのでは、企業とは、直接は関係はなくなります。しかし、政府の場合、企業の従業員に相当する、公務員を大量に解雇したとします。そうすると、その公務員が、すぐに就職できるほど、経済が安定していれば良いのですが、経済的が停滞していて、もと公務員がなかなか就職で着ないような場合は、何らかの形で、雇用対策を行わなければならなくなります。こんなことは、企業ではあり得ません。だから、マクロ経済と、ミクロ経済では、見方が全く異なるということです。
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2012年03月31日

太鼓持ち

自分達だけ難を逃れようと必死なマスメディアを信じるな(木走日記)

主張が一致することが滅多にない新聞主要5紙が、消費税に関しては奇妙なほど増税賛成で主張が一致している。

(エントリより)
 連日、消費税増税に突き進めと全紙社説にてメディアスクラム狂態なわけです、31日付け各紙社説から。

税制改革の法案提出―やはり消費増税は必要だ

http://www.asahi.com/paper/editorial.html

消費税法案提出 首相は審議入りへ環境整えよ(3月31日付・読売社説)

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120330-OYT1T01164.htm

社説:消費増税法案決定 民・自合意に全力挙げよ

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20120331k0000m070160000c.html

消費増税法案 与野党で修正し成立図れ 首相は最低保障年金の撤回を

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120331/plc12033103150008-n1.htm

首相はぶれずに突き進め

http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE6E2E2E1E6E2E5E2E1E3E2E1E0E2E3E08297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D


 いつからこの国は異論を認めぬ言論統制国家になったのでしょうか。


「消費税の減免措置を認めてもらうために、マスコミは財務省のお先棒を担いでいる」という陰謀論は以前からあったが、その一端を垣間見せる一文が読売の社説に忍び込まれていた。

(エントリより)
 マスメディアがなぜ消費税増税に賛成するのか、そのヒントが読売社説のこの一文にあります。

 低所得者対策として、法案は、減税や現金給付を行う「給付付き税額控除」や、社会保障の合計自己負担額に上限を設ける「総合合算制度」などを盛り込んだ。

 民主党内には、大規模な対策を求める声があるが、必要以上に規模を膨らませ、ばらまき色の強い内容にしないことが大切だ。

 欧州では、家計負担を軽くするため、食料品など生活必需品の税率を低く抑える複数税率を採用している。新聞や書籍も税率をゼロや大幅に低くする国が多い。複数税率導入も検討すべきだろう。


 なんというひどい文章なのでしょう、ようするに低所得者対策などはばらまき色の強い内容にしないで、つまりあまりしなくてよいから、新聞や書籍も税率をゼロや大幅に低くする、複数税率導入に力を入れろと注文しているのです。

 そうなのです、メディアスクラムを組んで財務省に媚を売るマスメディアの狙いのひとつは、新聞購読料の消費税免除にあります。


そういえば、最近朝日が脱税を指摘されていたなぁ…(冷笑)
posted by かせっち at 19:47| Comment(0) | TrackBack(1) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月29日

消費税の暗黒面

内閣府の事後シミュレーションを検証してみる その2「消費税増税」(ひろのひとりごと)

「消費税を上げれば物価が上がるから、インフレになってデフレ脱却できるじゃないか」という論に対し、今まで上手い反駁を考え付かなかったのだが、腑に落ちる説明が見つかった。

(エントリより)
しかし通常のインフレとは違って、消費税増税による物価上昇分は企業の売上になるわけではなく、国庫に吸い上げられますので、国民の所得は増えません・・・。


つまり消費税増税分の価格転嫁で物価が上昇したとしても、その上昇分は国庫に納められて民間の需要の原資にはならない。民間の所得が増えない一方で物価は増税で上昇するので、民間の需要は益々減退する。結果的には民間部門のGDP拡大に繋がらない、という訳である。

しかし、この例のように消費税増税分を価格に転嫁できる場合はまだマシなのである。


ギリシャ デフォルト格付けへ(新世紀のビッグブラザーへ)

消費税とは、税金が価格に転嫁されることで消費者が税金分を負担し、小売業者はその税金分を国庫に納税するという仕組みである。しかし現実には、多くの小売業者は消費税増税分を価格に転嫁できない。その場合であっても小売業者には納税義務が発生する。

つまり、消費者が負担しなかった消費税増税分を小売業者が負担することになるのである。

(エントリより)
売上=仕入費+減価償却費+一般管理費+「人件費+税引前利益」(付加価値)

 ですが、このうちGDPとなるのは「人件費+税引前利益」(付加価値)です。法人税はこの「税引前利益」にかかりますが、「税引前利益」の出る前段階で、消費税が「人件費+税引前利益」に、内税5パーセントでかかることになります。現実問題として、小売店の中で起こっていることは、消費財の「人件費+純利益」に対して税率5%で課税されるタイプの「外形標準課税」が発生しているということです。

 建前としても、消費税は「商品価格」に対する「外形標準課税」であると公式に言われていますが、以上のように、「商品価格」に対する「外形標準課税」を負担している「納税者」=「消費者」は実際には存在しないのですから、この「外形標準課税」は、小売店が自腹で支払っていることになります。消費税は「人件費+税引前利益」にかかる「外形標準課税」であり、人件費という最も大きな経費を差し引く前の金額にかかるのですから、「人件費+税引前利益」から「人件費」を引いて「税引前利益」を計算したときに赤字となるケースが多いのですが、それでも支払わなければならないことになります。

 ここで赤字となった商店は悩まなくてはなりません。「人件費を払って、消費税を滞納する」か、「従業員をクビにして、または従業員の給料を下げて、消費税を払う」かをです。おそらく、企業は、倒産するわけにはいきませんから、納税するために、社員を解雇したり、給料を下げたりするわけです。したがって、雇用に悪い影響があるのです。こうした実態を無視して、消費税は支出にかかるから公平な税だとか、安定財源だなどというのは、怠惰と言うべきではないかと思うわけです。
posted by かせっち at 22:09| Comment(2) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月23日

切れた環

政府と企業と国民と(後編)(新世紀のビッグブラザーへ)

(エントリより)
 話がそれましたが、そもそも政府と企業と国民は、不可分の関係にありました(昔は)。国民は企業で働き、政治家を選定し、政府は国民の要望に従い企業活動のルールを定め(いわゆる規制)、公的サービスを提供し、企業は国民経済のために付加価値を稼ぎ出し、雇用を生み出すという相互依存関係だったわけです(大雑把に書くと)。ところが、グローバル化の進展で資本移動の自由化が進み、上記の相互依存関係が成り立たなくなっているというのが、現代世界の問題なのだと思います。
 
 相互依存関係が無くなると、企業が国民のためではなく投資家や経営者のために動く「確率が高まり」ます。すなわち、社会制度システムを「国民のため」ではなく、「自社のため」に変えようとしてしまうのです。そして、社会システムを変えることができるのは、法律を制定する政治家しかいませんので、企業と政府の結びつきは強まらざるを得ません。

 結果的に何が起きるかと言えば、実はこれが一番問題だと思っているのですが、「国民の需要を満たすための力の低下」すなわち、競争力が低下するという問題が発生します。社会制度システムとは需要の一部ですが、それを「自社に合わせて変えさせる」ことを繰り返していては、そうではない企業(社会制度システムに自社の供給を合わせようとする)と比べて、競争力は落ちざるを得ないわけです。


経済メモで述べたように、内需型景気では労働者は同時に消費者であるため、企業が労働者の給与をあげることは結果的に自社の商品の消費者を増やすことに繋がる。しかし外需型景気では消費者は自国の労働者ではないため、企業にとって労働者の給与はただのコストにしかならない。


かくしてグローバル化で政府・企業・国民の環は切れるのである。


参考:
[図解]景気拡大(当ブログ記事)
posted by かせっち at 20:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月16日

信用創造

「知性の失敗」のユーロ、「自由の失敗」のアメリカ
池上彰×岩井克人対談 「お金の正体その2」(日経ビジネスオンライン)


ユーロの失敗とアメリカの失敗に関する池上氏と岩井氏の対談。その中での銀行の信用創造機能に関する解説。

(記事より)
池上:商業銀行における預金が貨幣と同等の役割を果たす、というところをもう少し解説していただけますか?

岩井:何時でも預金者は「銀行預金」を現金化できる。つまり、預金は現金も同然なのです。これを「流動性」といいます。でも、この流動性とは、とても不思議なものです。

 私が「預金をいつでも引き出せる」と思っているのは、ほとんどの預金者が引き出さないからです。でも、ほとんどの預金者が引き出さないのは、私と同じように、他のほとんどの預金者も「いつでも引き出せる」と思っていて引き出さないからにすぎません。ここにあるのは、自己循環論法なのです。もし預金者が、「預金には流動性がない」と考え始め、一斉に預金を引き出そうとすれば、取り付け騒ぎが起きてしまう。その時、実際に銀行預金の流動性は消え、預金は貨幣ではなくってしまいます。銀行の単なる借金、しかも銀行が返済できない借金になってしまう。

池上:みんながいつでも引き出せると思っているから、みんなが引き出さない。だから成り立っているのが「預金」というわけですね。なるほど、よく考えてみると不思議な仕組みです。

岩井:本当に不思議です。銀行はお金を貸す時、預金口座に「5000万円」と書き入れれば良いのです。預金者みんなが「銀行預金はお金だ」と思っている限り、私はその口座をお金として使うことができる。これが信用創造とよばれるお金の創造です、商業銀行には、民間企業でありながら、「お金をつくる」力があるのです。

 もちろん、無限には作れません。預金者からの引き出しに備えて一定の現金をもつことを法律で定められています。また、預金者を安心させるため、国が預金者1人当たり1000万円までの保障を与えています。その代わりに、商業銀行は預金者の不信を招くような活動、特に投機的な活動に手を染めるのを防ぐために、さまざまな規制を課されているのです。「お金を作ることを許しているのだから、大人しく安定的な商売をしていなさい」ということですね。
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2012年01月05日

ネオリベの果て

TPPと強欲と恐怖心+自由貿易という「新自由主義」をとことん突き詰めると「地球市民」という左翼思想に一致する(廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ)

(エントリより)
「自由貿易は素晴らしい!とにかく自由貿易を徹底すべきだ!」

これをとことん追求するとどうなるかというと、

世界中が一つの政府、一つの国にする

という思想になります。

だって、完全に一つの制度のほうが、企業にとっては何かと便利です。世界中がどこでも「自国内」で商売がやりやすいことこの上ない、ということになるのですから。

地球市民とか世界政府とかいうと、左翼的な雰囲気ですが、実は新自由主義を突き詰めるとその思想と一致することになります。

TPPやグローバリゼーションの問題は、本当にそれで良いのか、という問題ですね。


「経済によって世界は一つになる。TPPはその第一歩」と主張するブログがあり、それに対して自分は「経済ごときで世界は一つにならない。例え貧乏になろうとも、国民感情は統合より独立を望む」と反論コメントを書き込んだことがあった。

結局その議論は平行線に終わったが、そのブロガーが主張する「経済による世界政府の実現」に感じた違和感を、上記のブログは的確に表現している。
posted by かせっち at 20:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月14日

生産物と生産要素

先日、ラーメン屋で読んだ地元紙に京大大学院の佐伯啓思教授のTPP批判記事が載っていた。TPP、そしてそれを推し進めようとしているアメリカの資本主義について、その記事は実に的確に指摘していた。

その記事がネットに上がっていないか探していたところ、既に先月、同様の内容の記事を産経にのせていたらしい。それが以下の記事である。

TPP交渉参加はなぜ危険か 「開国せよ」の悪質さ(産経)

(記事より)
 経済活動は、いくつかの「生産要素」を使って「生産」を行い「生産物」を市場で配分してゆく。「生産要素」の代表は「労働」「資本」「土地・資源」であり、さらにそれらを機能させるための装置というべき「交通ネットワーク」「医療・教育」「食糧」「社会秩序・安全性」「人間関係・組織」も広義の生産要素である。

 確かに、生産物は、多くの場合、市場の自由競争に委ねてもよい。しかし、生産要素は容易には市場化できないし、そうすべきではない。生産要素が不安定化すると、生産体系まで不安定化するからだ。だから、労働、資本、資源、食糧、医療、教育、交通、といったものはある程度規制され、決して市場の自由取引に委ねるべきものではない。それはわれわれの社会生活の安定性と深くかかわっているのである。

 ところで、今回のTPPで問題となるのは、まさにこの「生産要素」の市場化と言ってよい。

posted by かせっち at 20:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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