2008年07月24日

円高に向かわない理由

サブプライムローン問題に端を発する金融不安からドルが下落したことにより、円も一時は1ドル=¥100に迫ろうかという勢いで高騰したが、現在のところ1ドル=¥104〜¥107辺りで推移している。

ところで為替相場が上下するのは、結局のところ国を跨いだ金の出入りの結果だ、と以前に書いたエントリ「メモ:為替相場」に書いた。

何らかの理由で
・外国から日本にお金が流入する量が多い→円高
・日本から外国にお金が流出する量が多い→円安


そして為替相場の上下に一喜一憂するよりも、相場を変動させる「何らかの理由」を分析することが肝要(同時に面白いところ)なのであるが、昨今の円高の停滞について「ヤバ韓」の著者は次のような分析をしている。

健全さのジレンマ(新世紀のビッグブラザーへ blog)

(エントリより)
 今年の6月のスプレッドは、ドル、ユーロ、ポンド共に0.6から0.8%となっており、平常時(0.03から0.1%程度)と比べて異常値と言ってよい水準を推移しています。銀行間が疑心暗鬼になっているとは、要は各銀行同士がお互いの財務内容に対し、不安を抱く状態になっていることを意味しています。
 この各国インターバンクの現況に加え、比較的サブプライムローン問題に端を発した金融危機の影響が少ないこともあり、唯一東京市場だけが健全性を保っており(それでも、スプレッドは平常時よりは高いです)、世界中の銀行が東京市場でお金を借りる状況に至っています。


つまり世界的な金融不安の中、サブプライムローン問題の被害が軽微だった日本が「最後の貸し手」になっており、世界の金融機関が円建てで資金を調達して外貨に両替する(つまり日本から海外へお金が流出する)ため、円安圧力が掛かって円高が進行せずにいる、というものである。

まぁ、サブプライムに手を出さなかったことが吉と出た辺りは、「バブルの時でも貸さなかった」と言われるほどの渋い貸し手であることが、結果として都銀を上回る財務内容をもたらした静岡銀行(通称「しぶぎん」)と同じなんだが(笑)

(エントリより)
 なぜ本日この話題を取り上げたかと言えば、最近のユーロが対日本円で最高値を更新しようとしており、またぞろ物事の一面しか見れない日本メディアや似非経済評論家、「投資家は欧州こそ今後の世界経済の中心と認識している。ユーロこそ次の基軸通貨を担う可能性がある通貨だ。日本は欧州に比べて駄目駄目なので、ユーロは対日本円で高騰を続けるのだ」などと、トンデモ論を撒き散らし始める時期と考えているからです。


参考:
メモ:為替相場(当ブログ記事)
posted by かせっち at 21:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済(メモ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月23日

負け企業のパターン

若者のテレビ離れは怖くない・テレビ復活のカギは高齢者(日経IT PLUS・岸博幸の「メディア業界」改造計画)

(記事より)
 ところで、最近は日本のテレビ局も広告収入の落ち込みによる業績悪化を受け、役員報酬のカットを始めた。広告収入の落ち込みは景気の悪化や広告主のテレビ離れが主因であるが、いずれ視聴者の高齢化という要素も入ってくるかもしれない。

 しかし、逆に言えば、視聴者の高齢化というのは、テレビ局にとっては大きなチャンスのはずである。高齢者がパソコンや携帯を使って動画を頻繁に見るということは考えにくいからである。また、現在の日本では高齢者が最も裕福な層であることを考えると、広告主にとっては最も魅力的な市場となっているはずである。実際、米国でも、過去5年間の全世帯支出は32%しか増えていないが、55〜64歳が家長の世帯の支出は60%増加している。

 従って、テレビ局と広告会社は、今後はこれまで以上に高齢者をテレビに取り込む努力をしなければならない。巷にあふれている若者向けのバラエティー番組ばかりでは、高齢者は民放から離れてNHKやテレビ以外に向かうだけである。米国以上に急速に高齢化が進んでいるという現実を踏まえると、日本のテレビ局は、テレビから離れる若者をクロスメディア戦略でつかまえる以上に、高齢者をテレビの本体でつかまえるという努力が必要なのではないだろうか。


『イノベーションのジレンマ』で紹介される

典型的な負け企業の戦略ですね(笑)



市場を寡占してきた伝統企業が、低価格帯の市場に参入してきた新興企業に価格競争力で敗れ、収益改善のために高価格帯の市場に逃避すると、短期的には収益が上がっても市場規模が小さいために売上があがらず、同時に新興企業の追撃を受けて更に高価格帯の市場への逃避を繰り返すうちに、最後に雪隠詰めにされて市場から叩き出される、というのが「負け企業の戦略」である。

「伝統企業」を「テレビ」、「新興企業」を「ネット」、「低価格帯の市場」を「若者」、「高価格帯の市場」を「高齢者」と置き換えて見れば、岸氏の戦略が如何に危ういものかわかるだろう。


「低価格帯の市場を失っても収益に問題はない」

『イノベーションのジレンマ』で紹介される負け企業は

決まってこの捨て台詞を吐いて崖に向かって歩き始める

果たして本当に「若者のテレビ離れは怖くない」か?



参考:
クリステンセン三部作(本ブログ記事)…「イノベーションのジレンマ」シリーズの書評
posted by かせっち at 22:10| Comment(0) | TrackBack(1) | メディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月20日

マスコミの劣化

毎日新聞の「WaiWai」騒動は、新聞の「あるある大事典」(夢幻∞大のドリーミングメディア)

毎日新聞の英文サイトのコラム「WaiWai」で実話雑誌系のイロモノ記事を垂れ流していた問題に関する、毎日新聞の検証記事について。

(エントリより)
 玉木氏は、担当記者のプロのジャーナリストとしての資格を疑っている。メディアに対する安易な取り組みの姿勢は、「WaiWai」も「あるある大事典」も共通している。インターネットで、情報が簡単に手に入る時代である。自分たちがメディア側だから、プロだからという理由で情報が手に入るわけではないのである。読者や視聴者もまた、同じ情報が手に入るのだ。それを誤解して裏づけも取らずに、流してしまえば、ただのネットのヨタ記事と変わりはない。新聞社やテレビ局は、彼らをプロのジャーナリストとして育てる義務がある。少なくとも、(新聞代やスポンサーから)金を取って(彼らに給料を払って)いる限りは。そうでなければ、読者や視聴者は詐欺にあっているのと変わらない。


サンデープロジェクト8月3日放送分(新世紀のビッグブラザーへ blog)

『本当はヤバイ!韓国経済』の著者・三橋貴明氏が、韓国経済と李明博大統領についてサンデープロジェクトからインタビューを受ける。そこで感じたマスコミの問題点について。

(エントリより)
 今回、正真正銘のメディアの本丸の人たちと話をしたわけですが、以前からの考えに確信を抱きました。
 メディアの人たちは我々の想像以上に、情報に疎いです。上に書いた情報は、別に何らかの特別な情報源に基づくものではないのですが、それすら全く知らない。恐らく、前にも書いたように情報を仕入れる、あるいは情報の正確性を検討する時間がないので、声の大きな一部評論家の意見が常識のようにまかり通ってしまうのだと思います。
 これは日本人にとってもそうですが、特にメディアで働く人々にとって不幸なことだと思います。自分たちが販売している商品が品質が劣化しているにも関わらず、その事実すら認識できていないわけです。このままでは、下手をすると産業丸ごと、不要なものと認識されかねない状況だと思います。


期せずして、どちらのブログもマスコミの劣化を指摘している。

マスコミの役割には以下の3つにある

1)事実を拾い上げること
2)拾い上げた事実を検証すること
3)検証結果を広く公開すること


しかしネットは2)と3)をコモディティ化した。そして最後の牙城にして最大の役割である1)についても劣化していることが満天下に晒されたとき、「産業丸ごと、不要なものと認識され」るのだろう。
posted by かせっち at 22:18| Comment(0) | TrackBack(1) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月19日

雑文

えー、7月に入って更新が滞っております。

ここのところ自分の琴線に触れるようなニュースやブログが少なく、初旬に引いた風邪の後遺症か、自分でブログのエントリを書く気力が少々萎え気味になっています。

また、休みなどで空いた時間は引越し荷物の荷解きや片付けに振り向けるようにしているので、ブログのための論考や読書に当てる時間が少なくなってるということもあります。

まぁ、ぼちぼちやりますので。
posted by かせっち at 22:47| Comment(0) | TrackBack(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月09日

雑記二題

※2008/11/16変更

先週末から前後不覚に陥るほどの強烈な風邪を引き、今日までネットから遠ざかっていた。リハビリがてらに、溜まりまくった巡回ルートの未読記事から幾つかご紹介。


※2008/10/5変更
以前取り上げた記事はこちらに移動しました→
「意外なところが取り上げた」


※2008/11/16変更
以前取り上げた記事はこちらに移動しました→
「少子高齢化と格差」
posted by かせっち at 20:56| Comment(2) | TrackBack(1) | ブログ&ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

少子高齢化と格差

診断は成った。問題は治療法だ - 書評 - 格差と希望 誰が損をしているか?(404 Blog Not Found)

小飼弾氏による「格差社会」本の書評。

(エントリより)
著者より献本御礼。

まずはグッドニュース。日本の格差問題に関する、決定的な診断書である。

続いてバッドニュース。この「病気」、進行ガンなみにやっかいだ。

<略>

それでは、日本における格差の本質とは一体何だろうか。

より具体的に、所得格差拡大という「症状」を引き起こした「病名」は一体なんだったのだろうか。

ずばり、少子高齢化、である。
posted by かせっち at 00:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 世代間問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

意外なところが取り上げた

毎日新聞の英文記事、主婦および看護師を始めとする医療従事者の怒りを買う(その30)毎日新聞のサイトの広告出稿激減を日経BPのITProが取り上げた意味→実際にあった反応(天漢日乗)

毎日新聞の英文サイト「WaiWai」において、実話系雑誌のイロモノ記事をそのまま英訳した記事が公開されていた問題。既にサイトは閉鎖され、毎日新聞も謝罪文を公開したが、ネットで着火した火はリアルにも類焼する様相を見せている。

この問題は、自分が風邪を引く前の先週あたりから一気に大炎上し始めたのだが、風邪が治って会社に行き、ITニュースの朝の定点観測していたら、IT Proがこの問題を扱っていたので、思わず苦笑。

(エントリより)
Seagul-Xさんからもコメントを頂いているが、日経関連の日経BPの昨日付のITProが、
 毎日.jp(毎日新聞のサイト)への広告出稿が激減
している現状を報じている。

「毎日jp」が自社広告だらけに、ネット上に深いつめ跡残る

<略>

さすがに日経BPはネットとの付き合いが長いから、ITProでこの問題を扱った。
でもって、
 ITProの効力
がどのくらいあるかというと
 IT関係の仕事をしてる人なら日常的にrssリーダで更新をチェックする定番サイト
である。ここに載る、というのは、
 リアル社会の三大紙の一面トップ扱い
に近いだろう。
posted by かせっち at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 毎日新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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